報酬基準規程Fee Rules
第1章 総則
第1条 目的
この規程は、エルリード法律事務所に所属する弁護士(以下「弁護士」といいます。)の報酬に関する標準を示すことを目的とします。
第2条 趣旨
弁護士がその職務に関して受ける弁護士報酬及び実費等の標準は、この規程の定めるところによります。
第3条 弁護士報酬の種類
弁護士報酬は、法律相談料、書面による鑑定料、着手金、報酬金、手数料、顧問料、タイムチャージ及び日当とします。
2. 前項の用語の意義は、次表のとおりとします。
- 法律相談料
- 依頼者に対して行う法律相談(口頭による鑑定、電話による相談を含みます。)の対価をいいます。
- 書面による鑑定料(意見書作成料)
- 依頼者に対して行う書面による法律上の判断又は意見の表明の対価をいいます。
- 着手金
- 事件又は法律事務(以下「事件等」といいます。)の性質上、委任事務処理の結果に成功不成功があるものについて、その結果のいかんにかかわらず受任時に受けるべき委任事務処理の対価をいいます。
- 報酬金
- 事件等の性質上、委任事務処理の結果に成功不成功があるものについて、その成功の程度に応じて受ける委任事務処理の対価をいいます。
- 手数料
- 原則として 1回程度の手続又は委任事務処理で終了する事件等についての委任事務処理の対価をいいます。
- 顧問料
- 契約によって継続的に行う一定の法律事務の対価をいいます。
- タイムチャージ
- 各弁護士における、 1時間あたりの適正妥当な委任事務処理単価にその委任事務処理に要した時間(移動に要する時間を含みます。)を乗じた額によって算出される委任事務処理の対価をいいます。
- 日当
- 弁護士が、委任事務処理のために事務所所在地を離れ、移動によってその事件等のために拘束されること(委任事務処理自体による拘束を除きます。)の対価をいいます。
第4条 弁護士報酬の支払時期
着手金は、事件等の依頼を受けたときに、報酬金は、事件等の処理が終了したときに、その他の弁護士報酬は、この規程に特に定めのあるときはその規定に従い、特に定めのないときは、依頼者との協議により定められたときに、それぞれ支払いを受けます。
第5条 事件等の個数等
弁護士報酬は、 1件毎に定めるものとし、裁判上の事件は審級ごとに、裁判外の事件等は当初依頼を受けた事務の範囲をもって1件とします。
ただし、第 3章第 1節における報酬金については、同一弁護士が引き続き上訴審を受任したときは特に定めのない限り、最終審の報酬金においてのみこれを受けます。
2. 裁判外の事件等が裁判上の事件に移行したときは、別件とします。
第6条 弁護士の報酬請求権
弁護士は、複数の依頼者から、あるいは同一の依頼者から、一時に依頼を受けたときも、各依頼者に対し各案件について、弁護士報酬を請求することができます。
2. 次の各号の一に該当することにより、受任件数の割合に比して 1件あたりの執務量が軽減されるときは、弁護士は、第 2章ないし第 5章及び第 7章の規定にかかわらず、弁護士報酬を適正妥当な範囲内で減額することがあります。
- 依頼者から複数の事件等を受任し、かつその紛争の実態が共通であるとき。
- 複数の依頼者から同一の機会に同種の事件等につき依頼を受け、委任事務処理の 1部が共通であるとき。
3. 1件の事件等を複数の弁護士が受任したときは、次の各号の一に該当するときに限り、各弁護士は、依頼者に対し、それぞれ弁護士報酬を請求することができます。
- 各弁護士による受任が依頼者の意思に基づくとき。
- 複数の弁護士によらなければ依頼の目的を達成することが困難であり、かつその事情を依頼者が認めたとき。
第7条 弁護士の説明義務等
弁護士は依頼者に対し、法律事務を受任するに際し、あらかじめ弁護士報酬等について、十分に説明しなければなりません。
- 弁護士は、事件等を受任したときは、委任契約書を作成しなければなりません。ただし、委任契約書を作成することに困難な事由があるときは、その事由が止んだ後、これを作成するものとします。
- 前項の規定にかかわらず、受任した法律事務が、法律相談、簡易な書面の作成、顧問契約等継続的な契約に基づくものであるときその他合理的な理由があるときは、委任契約書の作成を要しません。
- 委任契約書には、事件等の表示、受任の範囲、弁護士報酬等の額及び支払時期その他の特約事項を記載します。
- 弁護士は、依頼者から申し出のあるときは、弁護士報酬等の額、その算出方法及び支払時期に関する事項等を記載した弁護士報酬見積書の作成及び交付に努めなければなりません。
第8条 弁護士報酬の減免等
依頼者が経済的資力に乏しいときその他特別の事情があるときは、弁護士は第 4条及び第 2章ないし第 7章の規定にかかわらず、弁護士報酬の支払時期を変更し又はこれを減額若しくは免除することができます。
2. 着手金及び報酬金を受ける事件等につき、依頼の目的を達することについての見通し又は依頼者の経済的事情その他の事由により、着手金を規定どおり受けることが相当でないときは、弁護士は、第 3章の規定にかかわらず、依頼者と協議のうえ、着手金を減額又は免除して、報酬金を増額することができます。
第9条 弁護士報酬の特則による増額
依頼を受けた事件等が、特に重大若しくは複雑なとき、審理若しくは処理が著しく困難を伴い委任事務処理が膨大になるとき、長期にわたるとき又は受任後同様の事情が生じた場合において、前条第 2項又は第 2章ないし第 4章の規定によっては弁護士報酬の適正妥当な額が算定できないときは、弁護士は、依頼者と協議のうえ、その額を適正妥当な範囲内で増額することができます。
第10条 消費税に相当する額
この規程に定める報酬の額は、消費税法(昭和63年法律第108号)及び地方税法(昭和25年法律第226号)に基づき、弁護士の役務の提供につき課せられるべき消費税額及び地方消費税額の合計額に相当する額(同額を含まない報酬の額に消費税及び地方消費税の合計税率を乗じて算出される額をいい、以下「消費税相当額」といいます。)を含んでおります。
なお、受任中に法改正等により消費税及び地方消費税の合計税率(現在10%)が変更された場合は、請求時の税率によって算定される消費税相当額との差額に相当する額を加算して請求いたします。
第2章 法律相談料等
第11条 法律相談料
法律相談料は、次表のとおりとします。
- 個人(非事業者)
- 30分ごとに5,500円から11,000円。ただし、2回目以降及び事案が特に複雑又は特殊な事情があるときは、次の「法人または事業者」の例によります。
- 法人または事業者
- 30分ごとに11,000円から27,500円
2. 法律相談時間が平日9時から18時以外の時間帯に行われる場合、前項に定める法律相談料は、それぞれの事由に基づき、各30%増額することができます。
第12条 法律意見書
法律意見書は、次のとおりとします。
- 法律意見書
- 110,000円以上1,100,000円以下
2. 前項において、事案が特に複雑又は特殊な事情があるときは、弁護士は依頼者と協議のうえ、前項に定める額を超過する額の書面による鑑定料を受けることができます。
第3章 着手金及び報酬金
第1節 民事事件
第13条 民事事件の着手金及び報酬金の算定基準
本節の着手金及び報酬金については、この規程に特に定めのない限り、着手金は事件等の対象となる経済的利益の額を、報酬金は委任事務処理により確保される経済的利益の額をそれぞれ基準として算定します。
第14条 経済的利益 – 算定可能な場合
- 金銭債権は、債権総額(利息及び遅延損害金を含みます)。
- 将来の債権は、債権総額から中間利息を控除した額。
- 継続的給付債権は、債権総額の10分の7の額。ただし、期間不定のものは、7年分の額。
- 賃料増減額請求事件は、増減額分の7年分の額。
- 所有権は、対象たる物の時価相当額。
- 占有権、地上権、永小作権、賃借権及び使用借権は、対象たる物の時価の2分の1の額。ただし、その権利の時価が対象たる物の時価の2分の1の額を超えるときは、その権利の時価相当額。
- 建物についての所有権に関する事件は、建物の時価相当額に、その敷地の時価の3分の1の額を加算した額。建物についての占有権、賃借権及び使用借権に関する事件は、前号の額に、その敷地の時価の3分の1の額を加算した額。
- 地役権は、承役地の時価の2分の1の額。
- 担保権は、被担保債権額。ただし、担保物の時価が債権額に達しないときは、担保物の時価相当額。
- 不動産権等の登記手続請求事件は、関連各号に準じた額。
- 詐害行為取消請求事件は、取消請求債権額。ただし、目的価額が債権額に達しないときは目的価額。
- 共有物分割請求事件は、対象持分の時価。
- 遺産分割請求事件は、対象相続分の時価相当額。
- 遺留分減殺請求事件は、対象遺留分の時価相当額。
- 金銭債権についての民事執行事件は、請求債権額。ただし目的物の時価が債権額に達しないときは、執行対象物件の時価相当額(負担を考慮)。
第15条 経済的利益算定の特則
前条で算定された経済的利益の額が紛争の実態に比して明らかに大きいときは、弁護士は当該額を実態に相応するまで減額できます。
2. 前条で算定された経済的利益の額が、次の各号の一に該当するときは、弁護士は当該額を実態又は依頼者の受ける経済的利益の額に相応するまで増額できます。
- 請求の目的が紛争の一部であるため明らかに小さいとき。
- 紛争解決により依頼者の実質的利益が明らかに大きいとき。
第16条 経済的利益-算定不能な場合
第14条により経済的利益の額を算定できないときは、その額を800万円とします。
2. 弁護士は、依頼者と協議のうえ、前項の額を事件等の難易・軽重・手数の繁簡・受ける利益等を考慮し、適正妥当な範囲内で増減額できます。
第17条 民事事件の着手金及び報酬金
訴訟事件(手形・小切手訴訟事件を除く。)、非訟事件、家事審判事件、行政審判等事件及び仲裁事件(次条に定める仲裁センター事件を除く。)の着手金及び報酬金は、経済的利益の額を基準として次表のとおり算定します。
経済的利益の額 | 着手金 | 報酬金 |
---|---|---|
300万円以下 | 8.8% | 17.6% |
300万円超〜3,000万円以下 | 5.5%+99,000円 | 11%+198,000円 |
3,000万円超〜3億円以下 | 3.3%+759,000円 | 6.6%+1,518,000円 |
3億円超 | 2.2%+4,059,000円 | 4.4%+8,118,000円 |
2. 前項の着手金及び報酬金は、事件の内容により、30%の範囲内で増減額できます。
3. 同一弁護士が引き続き上訴事件を受任するときは、着手金を適正妥当な範囲内で減額できます。
4. 前各項の着手金は、220,000円を最低額とします。
第18条 調停事件及び示談交渉事件
調停事件・示談交渉事件・仲裁センター事件の着手金及び報酬金は、原則として前条又は第21条の規定を準用。ただし、算定額の3分の2に減額できます。
2. 示談交渉→調停/仲裁センターへの移行時の着手金は、算定額の2分の1。
3. 示談/調停/仲裁センター→訴訟等への移行時の着手金は、算定額の2分の1。
4. 前3項の着手金は、110,000円を最低額とします(経済的利益125万円未満は事情により110,000円未満に減額可)。
第19条 契約締結交渉
示談交渉事件を除く契約締結交渉の着手金・報酬金はディールサイズを基準に次のとおり算定します(3,000万円超でもタイムチャージを下限)。
ディールサイズ(国内) | 着手金 | 報酬金 |
---|---|---|
3,000万円以下 | タイムチャージ | タイムチャージ |
3,000万円超〜3億円以下 | ディール額×0.55%+198,000円 | ディール額×1.1%+396,000円 |
3億円超 | ディール額×0.33%+858,000円 | ディール額×0.66%+1,716,000円 |
2. 事案内容により30%範囲で増減可。
3. 着手金の最低額は110,000円。
第20条 督促手続事件
経済的利益の額 | 着手金 |
---|---|
1,000万円以下 | 2.2% |
1,000万円超〜3,000万円以下 | 1.1%+33,000円 |
3,000万円超〜3億円以下 | 0.55%+198,000円 |
3億円超 | 0.33%+858,000円 |
2. 事件内容により30%範囲で増減可。
3. 着手金の最低額は110,000円。
4. 訴訟に移行したときの着手金は、第17条/第21条算定額との差額。
5. 督促手続事件の報酬金は、第17条又は第21条の2分の1(ただし回収があった場合に限る)。
6. 具体的回収のための民事執行事件は、本件とは別に着手金=第17条の3分の1、報酬金=同4分の1を受領可。
第21条 手形・小切手訴訟事件
経済的利益の額 | 着手金 | 報酬金 |
---|---|---|
300万円以下 | 4.4% | 8.8% |
300万円超〜3,000万円以下 | 2.75%+49,500円 | 5.5%+99,000円 |
3,000万円超〜3億円以下 | 1.65%+379,500円 | 3.3%+759,000円 |
3億円超 | 1.1%+2,029,500円 | 2.2%+4,059,000円 |
2. 事件内容により30%範囲で増減可。
3. 着手金の最低額は110,000円。
4. 通常訴訟に移行したときの着手金は第17条との差額、報酬金は第17条準用。
第22条 離婚事件
離婚事件の内容 | 着手金及び報酬金 |
---|---|
離婚調停・仲裁センター・交渉事件 | 330,000円以上1,100,000円以下 |
離婚訴訟事件 | 330,000円以上3,300,000円以下 |
2. 交渉→調停/仲裁センター移行時の着手金は調停の2分の1。
3. 調停→訴訟移行時の着手金は訴訟の2分の1。
4. 財産給付を伴うときは、第17条/第18条の範囲で適正額を加算可。
5. 依頼者の資力・事案の複雑さ・手数の繁簡等により、適正範囲で増減可。
第23条 境界に関する事件
着手金・報酬金は、550,000円以上3,300,000円以下。同条の算定額がこれを上回る場合は第17条による。
2. 調停・仲裁センター・示談交渉は各3分の2に減額可。
3. 示談→調停/仲裁センター、又は→訴訟の移行は各2分の1。
4. 資力・事案等により適正範囲で増減可。
第24条 借地非訟事件
借地権の額 | 着手金 |
---|---|
5,000万円以下 | 330,000円以上1,100,000円以下 |
5,000万円超 | 前段額+超過部分の1.1% |
2. 報酬金:申立人・相手方それぞれ経済的利益を基準に第17条で算定(本文細目どおり)。
3. 調停・仲裁センター・示談交渉は各3分の2に減額可。
4. 示談→調停/仲裁センターの着手金は第1項額の2分の1。
5. 調停/仲裁センター/示談→借地非訟の着手金は第1項額の2分の1。
第25条 保全命令申立事件等
仮差押・仮処分の着手金は第17条算定額の2分の1(審尋・口頭弁論を経たときは第17条どおり)。
2. 重大・複雑な場合の報酬金は第17条額の1/4〜1/2(審尋・口頭弁論経由は1/2〜2/3)。
3. 本案の目的を事実上達したときは第17条準じて報酬金受領可。
4. 保全執行事件は重大又は複雑なときに限り、別に着手金・報酬金受領可(次条準用)。
5. これらは本案事件と併せ受任でも別に受領可。
6. 着手金の最低額は110,000円。
第26条 民事執行事件等
着手金は第17条額の2分の1〜同額、報酬金は同4分の1以上。
2. 本案に引き続き受任しても別に受領可(着手金の下限は同3分の1)。
3. 執行停止事件の着手金は同2分の1(引き続き受任は同3分の1以上)。
4. 重大・複雑な場合は第17条額の4分の1以上の報酬金受領可。
5. 着手金の下限は110,000円。
第27条 倒産整理事件
破産・民事再生・特別清算・会社更生等の着手金は事件規模に応じ次のとおり(保全事件は着手金に含む)。
内容 | 着手金 |
---|---|
事業者の自己破産 | 550,000円以上 |
非事業者の自己破産 | 330,000円以上 |
自己破産以外の破産 | 1,100,000円以上 |
特別清算 | 2,200,000円以上 |
会社更生 | 3,300,000円以上 |
2. 報酬金は第17条準用(配当額・免除債権額・企業継続利益等を考慮)。自己破産(事業者/非事業者)は免責決定時のみ報酬金受領可。
第28条 民事再生事件
内容 | 着手金 |
---|---|
事業者の民事再生 | 2,200,000円以上 |
小規模個人再生・給与所得者等再生 | 330,000円以上 |
2. 報酬金は再生計画認可決定時のみ受領可(第17条準用)。
3. 経済的利益は弁済額・免除債権額・延払い利益・企業継続利益等を考慮(既受領報酬を考慮)。
4. 再生手続開始後〜終了まで、毎月相当額の報酬を協議の上受領可(執務量・着手金・既受領報酬考慮)。
5. 民事再生法第235条の免責申立事件の着手金は第1項第2号の2分の1(報酬は前項準用)。
第29条 任意整理事件
事業者の任意整理の着手金は事件規模に応じ1,100,000円以上。
2. 清算で終了したときの報酬金(弁護士が集めた配当原資・任意提供原資で区分):
配当原資額(弁護士集約) | 報酬金 |
---|---|
500万円以下 | 16.5% |
500万円超〜1,000万円以下 | 11%+275,000円 |
1,000万円超〜5,000万円以下 | 8.8%+495,000円 |
5,000万円超〜1億円以下 | 6.6%+1,595,000円 |
1億円超 | 5.5%+2,695,000円 |
配当原資額(任意提供) | 報酬金 |
---|---|
5,000万円以下 | 3.3% |
5,000万円超〜1億円以下 | 2.2%+550,000円 |
1億円超 | 1.1%+1,650,000円 |
3. 減免・猶予・企業継続等で終了したときの報酬は第28条3項準用。
4. 非事業者の任意整理の着手金は1債権者当たり22,000円(最低55,000円、要手間の債権者は増額可)。
5. 同報酬金は「引き直し前総請求額 − 契約総支払額」の11%(資力・複雑さ・手数により増減可)。
6. 裁判手続を要した場合は本節の規定により別途報酬金受領可。
第30条 行政上の不服申立事件
着手金は第17条の3分の2、報酬金は同2分の1(審尋・口頭審理等を経たときは第17条準用)。
2. 着手金の最低額は110,000円。
3. 経済的利益算定不能時の着手金は550,000円を最低額。
第2節 刑事事件
第31条 刑事事件の着手金
内容 | 着手金 |
---|---|
起訴前・起訴後の事案簡明な事件 | 220,000円以上550,000円以下 |
前段以外の事件及び再審事件 | 330,000円以上 |
再審請求事件 | 330,000円以上 |
2. 事案簡明の定義:特段の複雑さ・困難さ・繁雑さがなく、公判開廷数が2〜3程度の情状事件等(上告は情状事件のみ)。起訴前は情状立証のみ等。
3. 会社犯罪・業務上横領・脱税の着手金は第17条の算定額。
第32条 刑事事件の報酬金
区分 | 結果 | 報酬金 |
---|---|---|
事案簡明(起訴前) | 不起訴 | 220,000円以上550,000円以下 |
事案簡明(起訴前) | 求略式命令 | 前段額を超えない額 |
事案簡明(起訴後) | 刑の執行猶予 | 220,000円以上550,000円以下 |
事案簡明(起訴後) | 求刑が軽減 | 前段額を超えない額 |
前段以外(起訴前) | 不起訴 | 330,000円以上 |
前段以外(起訴前) | 求略式命令 | 330,000円以上 |
前段以外(起訴後・再審含む) | 無罪 | 550,000円以上 |
前段以外(起訴後) | 刑の執行猶予 | 330,000円以上 |
前段以外(起訴後) | 求刑が軽減 | 軽減の程度による相当額 |
前段以外(起訴後) | 検察官上訴棄却 | 330,000円以上 |
再審請求事件 | — | 330,000円以上 |
2. 事案簡明の定義は前条による。会社犯罪等の着手金は第17条。
第33条 同一弁護士が引き続き受任した場合等
起訴前→起訴後を同一弁護士が受任:第31条の着手金(事案簡明は起訴前着手金の2分の1)。
2. 上訴受任時は着手・報酬とも適正範囲で減額可。
3. 同種事件の追加受任により執務量が軽減される場合、追加分を適正範囲で減額可。
第34条 検察官の上訴取下げ等
上訴取下げ・免訴・公訴棄却・刑の免除・破棄差戻/移送のときは、第32条準用のうえ、費やした時間・執務量を考慮して報酬金を定める。
第35条 保釈等
保釈、勾留の執行停止、各種抗告等の申立事件の着手金・報酬金は、依頼者との協議により、被疑・被告事件の報酬と別に相当額を受領可。
第36条 告訴、告発等
告訴・告発・検察審査申立・仮釈放・仮出獄・恩赦等の着手金は1件につき110,000円以上、報酬金は協議により受領可。
2. 会社犯罪・業務上横領・脱税の着手金は第17条の算定額。
第3節 少年事件
第37条 少年事件の着手金及び報酬金
少年事件の内容 | 着手金 |
---|---|
身柄拘束あり | 330,000円以上 |
身柄拘束なし | 220,000円以上 |
抗告・再抗告・保護処分取消 | 220,000円以上 |
結果 | 報酬金 |
---|---|
非行事実なしによる審判不開始/不処分 | 330,000円以上 |
身柄事件で不開始・不処分又は保護観察 | 330,000円以上 |
在宅事件で不開始・不処分又は保護観察 | 220,000円以上 |
3. 送致前受任か否か、争いの有無、環境調整の手数、観護措置・試験観察の有無等を考慮し、適正範囲で増減可。
4. 上記以外でも、相当とする結果が得られた場合は、協議の上、準じた報酬額を受領可。
第38条 少年事件につき同一弁護士が引き続き受任した場合
送致されても1件の事件とみなす。
2. 抗告審等を受任するときは、着手・報酬を適正範囲で減額可。
3. 併合時は1件として扱う。ただし追加送致で環境調整等が著しく増す場合は適正な追加着手金を受領可。
4. 刑事処分相当で検察送致された場合の弁護士報酬は第2節による(同一弁護士が続ける場合、送致前執務量を考慮し減額可)。
第4章 手数料
第39条 手数料
この規程に特に定めのない限り、事件等の対象の経済的利益の額を基準として、次の各号の表のとおり算定します。なお、経済的利益の額の算定については、第14条ないし第16条の規定を準用します。
1 裁判上の手数料
項目 | 区分 | 手数料 |
---|---|---|
証拠保全(本案事件を併せて受任したときでも本案事件の着手金とは別に受けることができます。) | 基本 | 330,000円に第17条第1項の着手金の規定により算定された額の11%を加算した額 |
特に複雑又は特殊な事情がある場合 | 弁護士と依頼者との協議により定める額 | |
即決和解 (本手数料を受けたときは、契約書その他の文書を作成しても、その手数料を別に請求することはできません。) |
示談交渉を要しない場合 |
1,000万円以下の場合 1,000万円を超え3,000万円以下の場合 3,000万円を超え3億円以下の場合 3億円を超える場合 |
示談交渉を要する場合 | 示談交渉事件として、第18条又は第22条ないし第24条の各規定により算定された額 | |
公示催告 | — | 即決和解(示談交渉を要しない場合)の2分の1 |
倒産整理事件の債権届出 | 基本 | 55,000円以上550,000円以下 |
特に複雑又は特殊な事情がある場合 | 弁護士と依頼者との協議により定める額 | |
法定成年後見、保佐、補助開始決定申立事件 | 基本 | 220,000円以上550,000円 |
特に複雑又は特殊な事情がある場合 | 弁護士と依頼者との協議により定める額 | |
簡易な家事審判
(家事事件手続法別表第1に属する家事審判事件で事案簡明なもの。) |
— | 110,000円以上550,000円以下 |
2 裁判外の手数料
(1) 契約書作成(国内)
本項の「契約書作成」は交渉活動を含まず、確定した合意内容を法的に有効な文書とする活動に対する手数料を定めるものです(詳細は本文参照)。いずれの場合もタイムチャージを下限とします。支払方法は、着手時に手数料総額の4割、成果物納入時に残金。
ディールサイズ(国内) | 手数料 |
---|---|
300万円以下 | 110,000円 |
300万円超〜3,000万円以下 | ディール額×1.1%+77,000円 |
3,000万円超〜3億円以下 | ディール額×0.33%+308,000円 |
3億円超 | ディール額×0.11%+968,000円 |
(2) 会社設立及び清算(特別清算を除く)等の法的支援(国内)
ディールサイズ=対象法人の資本額又は総資産額のうち高い額。登記は司法書士に依頼(報酬・実費は別)。
ディールサイズ(国内) | 着手金 | 報酬金 |
---|---|---|
1,000万円以下 | ディール額×1.65% | ディール額×2.75% |
1,000万円超〜2,000万円以下 | ディール額×1.1%+110,000円 | ディール額×2.2% |
2,000万円超〜1億円以下 | ディール額×0.77%+220,000円 | ディール額×1.43% |
1億円超〜2億円以下 | ディール額×0.33%+330,000円 | ディール額×0.77%+1,100,000円 |
2億円超〜20億円以下 | ディール額×0.22%+1,100,000円 | ディール額×0.33%+1,430,000円 |
20億円超〜100億円以下 | ディール額×0.11%+2,530,000円 | ディール額×0.22%+4,400,000円 |
(3) M&A等に関する法的支援
増減資・合併・会社分割・事業譲渡等に関する助言/戦略立案/書類作成等の支援。着手金は2,200,000円以上、報酬は着手金額の2倍を下限(登記申請の司法書士費用は別)。
(4) その他
項目 | 区分 | 手数料 |
---|---|---|
法律関係調査(事実関係調査を含む。) | 基本 | 55,000円以上220,000円以下 |
特に複雑又は特殊な事情がある場合 | 弁護士と依頼者との協議により定める額 | |
内容証明郵便作成 | 弁護士名の表示なし(基本) | 33,000円以上 |
特に複雑又は特殊な事情がある場合 | 弁護士と依頼者との協議により定める額 | |
弁護士名の表示あり(基本) | 55,000円以上 | |
特に複雑又は特殊な事情がある場合 | 弁護士と依頼者との協議により定める額 |
項目 | 区分 | 手数料 | ||
---|---|---|---|---|
任意後見契約又は任意代理契約 | 任意後見契約又は任意代理契約締結に先立って行う依頼者の事理弁識能力の有無及び程度、財産状況その他依頼者の財産管理又は身上監護に当たって把握すべき事情等の調査 | 基本 | 55,000円以上220,000円以下 | |
特に複雑又は特殊な事情がある場合 | 弁護士と依頼者との協議により定める額 | |||
任意後見契約締結後から当該契約が効力を生ずるまで、又は任意代理契約締結後から当該契約に基づく財産管理が開始されるまでの間になされる訪問による面談 | - | 1訪問につき5,500円以上33,000円以下 | ||
委任事務の処理 | 任意後見契約又は任意代理契約に基づく基本委任事務(依頼者の日常生活を営むために必要な基本的な事務をいいます。以下同じ。)の処理 | 月額5,500円以上55,000円以下 | ||
基本委任事務の範囲外の事務処理 | 基本委任事務に加えて収益不動産の管理その他の継続的な事務の処理を行う場合 | 月額33,000円以上110,000円以下 | ||
- | 裁判手続等を要する場合 | 本規程の他の条項に基づき算定された手数料、着手金又は報酬金の額 | ||
遺言書作成 | 基本 | 300万円以下の場合220,000円 | ||
300万円を超え3,000万円以下の場合 1.1%+187,000円 |
||||
3,000万円を超え3億円以下の場合 0.33%+418,000円 |
||||
3億円を超える場合 0.11%+1,078,000円 |
||||
公正証書にする場合 | 上記の手数料に55,000円を加算する。 | |||
特に複雑又は特殊な事情がある場合 | 弁護士と依頼者との協議により定める額 | |||
遺言執行 | 基本 | 300万円以下の場合220,000円 | ||
300万円を超え3,000万円以下の場合 2.2%+264,000円 | ||||
3,000万円を超え3億円以下の場合 1.1%+594,000円 | ||||
3億円を超える場合 0.55%+2,244,000円 | ||||
特に複雑又は特殊な事情がある場合 | 弁護士と受遺者との協議により定める額 | |||
遺言執行に裁判手続を要する場合 | 遺言執行手数料とは別に、裁判手続きに要する弁護士報酬を請求することができます。 | |||
会社設立等 | 設立、増減資、合併、分割、組織変更、通常清算 |
資本額若しくは総資産額のうち高い方の額又は増減資額に応じて以下により算出された額。 ただし、合併又は分割については220万円を、通常清算については110万円を、その他の手続についてはタイムチャージによる手数料を、それぞれ最低額とします。 1,000万円以下の場合 1,000万円を超え2,000万円以下の場合 2,000万円を超え1億円以下の場合 1億円を超え2億円以下の場合 2億円を超え20億円以下の場合 20億円を超える場合 |
||
株主総会等指導 | 基本 | 330,000円以上 | ||
総会等準備も指導する場合 | 550,000円以上 |
第5章 タイムチャージ
第40条 タイムチャージ
依頼者との協議により、1時間あたりの適正妥当な単価×要した時間(移動含む)で報酬を受領可(別途成功報酬金を定めることを妨げない)。
2. 困難性・重大性・特殊性・新規性・熟練度等を考慮して単価を定める。
3. タイムチャージで受領する場合、あらかじめ相当額の預かり可。
第6章 顧問料
第41条 顧問料
区分 | 額 |
---|---|
法人 | 月額55,000円以上 |
個人 | 月額33,000円以上 |
2. 顧問業務の内容は、特段の定めがない限り一般的な法律相談。
3. 調査・簡易な書面作成・立会・従業員相談・総会指導/立会・講演等の内容や実費負担は協議のうえ契約内容を決定。
第7章 日当
第42条 日当
区分 | 額 |
---|---|
半日(往復2時間超〜4時間まで) | 33,000円以上55,000円以下 |
1日(往復4時間超) | 55,000円以上110,000円以下 |
2. 協議により適正範囲で増減可。
3. 概算により日当の預かり可.
第8章 実費等
第43条 実費等の負担
収入印紙代、郵便切手代、謄写料、交通通信費、宿泊料、保証金、保管金、供託金、その他委任事務処理に要する実費等は弁護士報酬とは別に依頼者負担。
2. 概算により実費等の預かり可。
第44条 交通機関の利用
出張のための交通機関は最高運賃の等級を利用可。
第9章 委任契約の清算
第45条 委任契約の中途終了
事件等の処理が解任・辞任・継続不能により中途終了したときは、受領済みの弁護士報酬の一部返還又は全部/一部の請求を、処理程度に応じて協議の上行う。
2. 前項にかかわらず、委任契約の終了につき、弁護士のみに重大な責任があるときは、弁護士は受領済みの弁護士報酬の全部又は一部を返還しなければなりません(なお、弁護士は、依頼者に対して責任がない場合であっても、受領済みの弁護士報酬の全部を返還することができます)。
ただし、弁護士が既に委任事務の重要な部分の処理を終了しているときは、弁護士は、依頼者と協議のうえ、その全部又は一部を返還しないことができます。
3. 第1項において、委任契約の終了につき、弁護士に責任がないにもかかわらず、依頼者が弁護士の同意なく委任事務を終了させたとき、依頼者が故意又は重大な過失により委任事務処理を不能にしたとき、その他依頼者に重大な責任があるときは、弁護士は、弁護士報酬の全部を請求することができます。
ただし、弁護士が委任事務の重要な部分の処理を終了していないときは、その全部については請求することができません。
第10章 雑則
第46条 事件等処理の中止等
依頼者が着手金、手数料又は委任事務処理に要する実費等の支払いを遅滞したときは、弁護士は、事件等に着手せず又はその処理を中止することができます。
2. 前項の場合には、弁護士は、あらかじめ依頼者にその旨を通知しなければなりません。
3. 第1項の場合において、弁護士が相当期間の定めをおいて支払いを催告したにもかかわらず、なお依頼者が支払いを行わないときは、弁護士は委任契約を解除することができます。
第47条 弁護士報酬の相殺等
依頼者が弁護士報酬又は立替実費等を支払わないときは、弁護士は、依頼者に対する金銭債務と相殺し又は事件等に関して保管中の書類その他のものを依頼者に引き渡さないでおくことができます。
2. 前項の場合には、弁護士は、すみやかに依頼者にその旨を通知しなければなりません。
第48条 本人確認
弁護士は、日本弁護士連合会が定める「依頼者の本人特定事項の確認及び記録保存等に関する規程」に基づき、法律事務に関連して一定額以上の資金を預る場合や依頼者の不動産売買等の取引等を行う場合などには、依頼者について本人確認等所定の手続を行い、依頼者はこれに協力して所定の書類等を提出するものとします。
第49条 改定
弁護士は、いつでも本規程を改定することができます。